人を動かすコミュニケーションで読み解く戦国逸話

経営者と社員、上司と部下、同僚、後輩といった職場の人間関係で人を動かすためのコミュニケーションとは?という視点で戦国武将の逸話をご紹介していきます。

怒鳴る上司、落ち込む部下、その間に挟まれる者の立ち振る舞い方

こんにちは、両兵衛です。

 

あなたの上司が
あなたの同僚、部下、後輩を
怒鳴っているとき


お互いのために
そろそろやめさせた方が
いいんじゃないかなと
思うような状況。


間に挟まれているあなたは
どのように立ち振る舞うでしょうか。


今回ご紹介するのは、
徳川家康の参謀として知られる
本多正信の逸話です。


正信は若い頃、
一時家康に敵対する側に
いたこともありました。


その後、流浪の身を経て
再び家康に召し抱えられ
その後は水魚の交わりといわれるほど
お互い信頼しあえる関係となりました。


大坂の陣の引き金
といわれる方広寺鐘銘事件。


豊臣秀頼に対して
方広寺の鐘に刻まれた
「国家安康」「君臣豊楽」の銘が
これは、家康の名を引き裂き、
豊臣家を讃えるものだ
と言いがかりをつけた事件です。


この演出をしたのが
正信だともいわれています。


そういえば
大河ドラマ「真田丸」では
近藤正臣さんが老獪な参謀役を
見事に演じてました。

 

 


家康は時々
家臣をひどく
叱りつけることがありました。


ある時、いつものように
家康が家臣を叱っていると
そばに控えていた正信が


「ごもっともです」


と相槌を打つと、叱られた家臣に


「お前は、どうして
  そんなことをしたのだ!!」


と、家康以上の勢いで
言葉を浴びせました。


正信は家康からとても信頼されており
その言葉は重く、
家臣は首を垂れて聞いていました。


家康も正信に圧倒されて
叱るのを止め
苦笑するしかありませんでした。


ここで正信は一転、
落ち着いて言葉を続けました。

 

「いいか、お前はただ叱られていると
  思っているかもしれない。


  しかしこれは殿からのご教訓なのだ。
  もとより、お前たちに期待して
  おられるからこそ
  このように仰せになるのだ。


  お前の父は合戦で武功をあげた。
  また、祖父は城攻めに忠義があった。
  殿も決してお忘れではない。


  ところで、殿もお叱りになって
  喉が渇いておられるであろうから
  お茶を差し上げてくれ」

 

と声を掛けました。


その家臣がお茶を持ってくると
家康に差し出させた後で正信は


「お前は少しも落ち込む必要はない。
  殿もそのように思っておられる」


と、なだめ、かばうので家康と家臣は
いつしか打ち解け君臣の仲が
うまく収まったといいます。

 

 


こんな状況で上司に向かっていっても
逆効果でしょう。
自分では引くに引けないことに
なっていることもあるでしょうしね。


かといって
このまま放置してしまっては
あなたの部下も落ち込むだけ。


そんなとき上司以上の勢いで
叱ることで冷静さを取り戻させつつ
上司の立場を保って
部下の方のフォローも行っている。


そんな感じでしょうか。


途中でお茶を持って来させて
一息入れさせるところが
さらに凄いですね。


なかなかここまでの
立ち振る舞いはできるものでは
ないかもしれませんが


上に立つ者としては
こんなナンバー2がいたら
安心ですよね。


お前の父と祖父の活躍を
殿は忘れてないぞって
言われたときの家康はきっと

「えっ?(汗)」って

苦笑いして正信を見たんじゃないか
そんな気がします。

  

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